【 WEB漫画「古御神の人」あらすじ 】
地元の人間が寄り付かない古い神社の社務所に若い兄弟が住んでいます。
この兄弟には霊的な能力があり、兄 総一郎(そういちろう)には放出系、
弟 晴彦(はるひこ)には吸収系の力があります。
その力は代々、古御神家の血を引く者が、古(いにしえ)の神イザナミノ神を
慰めるために受け継がれてきたものです。


イザナミノ神を慰めるための祭りを 彼らは「大祭」と呼びます。

↓ここから「古事記」の話です。
イザナミノ神は、神産みの最中、火の神・ヒノカグツチノ神を産んだ時の火傷で
命を落とし、黄泉の国の者(死者)となりました。
イザナミノ神の夫、イザナギノ神が妻恋しさに、黄泉の国まで会いに来ましたが、
妻の変わり果てた姿に恐れをなし、逃げてしまいました。
夫に裏切られたと思ったイザナミノ神は、鬼・醜女を使い、イザナギを襲います。
夫イザナギノ神はなんとか黄泉比良坂(よもつひらさか)まで逃げてきました。
黄泉比良坂はあの世とこの世の境にある坂です。
そのふもとに立派な桃の樹があり、その実を投げると、
鬼・醜女をすべて追い払うことができました。
イザナギは、その桃の樹に オオカムヅミノ命(大神の実)の名を与えました。

かつての夫婦神はあの世とこの世の境目でとんでもないやりとりをします。
イザナミ
「どうしてあなたは私を迎えに来てくれたのではないのですか? 
 そんなにひどいことをするのなら、私は1日に1000人の命を奪いましょう。」
イザナギ
「私にはどうすることも出来ないのだよ。それでもおまえがひどいことをするのなら、
 私は一日に1500人の命を産ませよう。」

↓ここからは私のオリジナルです。
イザナギに裏切られ、黄泉の国の神となったイザナミは、
今でも夫恋しさに、時々激しく悲しみに荒れ狂います。
1日に1000人どころではない、多くの命を奪うのです。
その惨事を防ぐために、古御神家の代表がイザナギノ神のかわりとして
イザナミを慰めに黄泉の国へ向かいます。それが「大祭」です。
黄泉の国は鬼・醜女が、隙あらば人肉を喰らおうと狙っている危険な場所です。
イザナミの元へ、無事イザナギの代役が行くためには、強い守り手がいります。
かつてイザナギノ神を守った桃の樹の力を持つ、オオカムヅミ役がついて行きます。

晴彦はイザナギ役の兄・総一郎を守るために、オオカムヅミ役になろうと
修行をしています。現在、オオカムヅミ役は親戚の樹(こみがみ いつき)で、
晴彦は樹から、この大役を奪う気でいます。
晴彦が「兄を自分が守る」という強い気持ちは、幼い頃の母との約束でもあります。
しかし、総一郎はそのことを こころよく思っていません。

そんな古御神兄弟のお隣に、東京から逃げるように越してきたのが
女優の娘、比奈里(ひなり)です。
彼女も、ひょんなことから、この兄弟の問題に巻き込まれてしまいます。

…あらすじって……長いじゃない。 ごめんなさい。
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